あらすじネタバレ
アドリアーノは、休暇中の看守の代わりに、父親が以前勤めていたラヴァペス刑務所に応援に来ていた。
所内を案内してくれたのはジャザォン。
彼から刑務所内に銃が持ち込まれたらしいと聞かされる。
既に犯人はわかっているという。
案内された娯楽室と呼ばれる場所には、ランバリというまだ学生の囚人が座らされていた。
暴力を振るい銃の在りかを聞こうとするジャザォン。
見兼ねたアドリアーノは、拷問はよせと言って止めるが、俺の仕事に口出しするなと言われる。
所長になんて言うんだと聞くと、所長自らが囚人を殴るためのパイプを購入し看守に与えていた。
見ていられなくなったアドリアーノはその場を後にする。
その後、ジャザォンはこれが俺の流儀だと言って、アドリアーノの前に囚人から押収した銃を置き、これで看守が撃たれたかもしれないと言う。
次に、蒸留器を持ち込んで酔っ払っている囚人がいた。
蒸留器の在りかを聞き出すために暴力を振るおうとする看守。
アドリアーノは暴力ではなく話してみてはと提案し、囚人にあることを耳打ちする。
「蒸留器を出さないと、2か月間、パンツ1枚で強姦犯の部屋にいれるぞ」と。
すると蒸留器の在りかを紙に書く囚人。
ジャザォンは、アドリアーノが耳元で囁いた言葉を聞き、それだって心理的な拷問だと言う。
駆け引きしただけだと言うアドリアーノ。
そして外では、刑務所監督官パウロ判事の娘が誘拐される。
犯人の要求は所長を解任すること。
聞き入れなければ娘の耳や指を切り落として送ると言う。←聞き入れられるまで
そしてその命令がこの刑務所から出ていることが判明するが、誰かまでは特定できていない。←所長を憎む囚人は多い
そこで、以前同じ手口で誘拐事件を起こし服役しているカダフィに疑いがかかる。
別の刑務所に移してやると取引を持ち掛けても、知らないというカダフィ。
そしてジャザォンは、容赦なくカダフィをパイプで殴る。
その場を去って行くアドリアーノ。
家庭では父親の帰りが遅くアドリアーノたちは心配する。←認知症だから
父親が戻ってくると、万が一のために名前と住所が書かれたカードを渡す。
子供扱いするなという父親。
そこへリヴィアが、ネットにアップされていた誘拐された少女が耳を切り落とされる映像を見せに来る。
その夜、ベッドで妻とエッチするアドリアーノだったが、少女のことが頭にチラついて集中できない。
そしてカダフィに尋問するアドリアーノはどんどんと暴力的になっていく。
耳を切るのはお前の手口だろと言うアドリアーノ。
子供の耳は切ったことがないというカダフィ。
何も知らないと必死で訴えるカダフィの耳に、お前がやったんだろうと言ってナイフをあてる。
そこへジャザォンがやってきて、連中のアジトが見つかったと言う。
犯人はカダフィではなかった。
誘拐を命じたのはマローリという別の囚人だった。
そして判事の娘は、アジトの銃撃戦で警官の弾に当たって死んだと聞かされる。
マローリの所へ行くと、所長や看守たちが勢ぞろいし、さんざん殴られた後だった。
「俺を辞めさせたかったか?残念だな」と言う所長。
何をしてもいいぞと言って、アドリアーノにパイプを渡す。
しかしアドリアーノは、パイプを投げ捨てその場を去って行くのだった。
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感想 ~暴力に訴えるのはとっても簡単~
今回のは凄く難しい問題。
アドリアーノだって、決して理想に燃えているというわけではないけれど、それでも線引きはあったんだろうと思う。
でも少女が誘拐され耳を切り落とされるという残忍な手口に、怒りが勝ってしまったんやろうなぁ。
その根幹にあるのはきっと正義感。
それがなければあんなに暴力的になったりはしなかったと思う。
暴力の難しいところって、最初は正義感からでも途中からは変わってしまうところ。
たぶん暴力を振るうと気持ちよくなってしまうんやろうなぁ。
それに恐怖を与えることもできる。
自分が強くなったと勘違いできる。
アドリアーノは踏みとどまったけど、ああいう場所でまわりに流されないっていうのはすごく難しいと思う。
決して彼らだって正義感が消えたわけじゃない。
ある意味そうせざる終えなかったのかもしれない。
他人の権利を奪いながら、自分の権利を主張する囚人には釈然としないものもあるしね。
一方、アドリアーノの家庭の平和を心配をしていたんだけれど、ちゃんと妻の妊活に協力してるし、仲はいいんやね。
途中でやめちゃってそっぽ向かれたけど、エッチして仲直りする夫婦なんか?
そして気になるのは、娘のリヴィアが相変わらず母親捜しをしていること。
亡くなっているにせよ、生きているにせよ、いずれハッキリとした事実が分かる日が来るのかなぁ?
そのへんの情報ももうちょっと欲しいな。