ご紹介するのは韓国ドラマ「濁流」
話 数:全9話
製作年:2025年
コチラは、朝鮮時代の京江(現在の漢江)沿い、商人の舟の往来が盛んな麻浦の渡し場が舞台となっています。
過去の秘密を抱え麻浦で働くチャン・シユルをロウン、チェ商団の娘で商団の副座長を務めるチェ・ウンをシン・イェウン、シユルとはかつて幼馴染で現在は捕盗庁の新任従事官をしているチョン・チョンをパク・ソハムが演じています。
それでは、第1話~第3話のネタバレ感想です。

ネタバレ感想
第1話
麻浦のルール
朝鮮時代の京江(現在の漢江)でいちばん繁栄していたのは麻浦の渡し場でした。
渡し場は日雇い労働者たちで溢れていましたが、無法者グループが渡し場を取り仕切り、働くには揀択税(ここでは米を渡してました)を払って「秘標」という識別札を受け取らないと仕事ができないという仕組み。
そして労働が終わると秘標を返して米と交換するのですが、そこでも「労賃」と称する名目で米を差し引かれ、文句を言おうものなら暴力を振るわれてしまうという理不尽さ。
一握りほどの米しかもらえず労働者たちはいつも飢えていました。
麻浦の頭領
麻浦の無法者グループを仕切っている頭領はドクケ(チェ・ヨンウ)
パン家やユン家などを配下に置き、ムドク(パク・ジファン)一派も配下の一つ。
ムドクは腕っぷしは弱いし度胸もないのにちっぽけなプライドと野心だけはあるんですよね。
他の配下からは馬鹿にされパク家の若君にボコられるという描写もありました。
けれどムドク曰く、俺とドクケ兄貴が無法地帯の麻浦を治めたと手下の前ではでっかい態度!
強い者にはめっぽう弱く、弱い者には偉そうなんです(* ´艸`)
商人vsならず者
無法者たちにとって得意先であるはずの商人でさえ無法者たちの機嫌を損ねることはできません。
なぜなら渡し場では、順番や荷下ろしも金で解決していたから→急行税・梅雨贅・洪水税など
搾取
そして搾取したものをさらに取り上げるのが役人なんですよね。
捕盗庁のイ・ドルゲ従事官(チェ・ギファ)の元にはドクケを含む各地域の無法者たちの頭領が集まり、2つの命を受けていました。
1つは都に押し寄せる流民を船が着く前に追放すること。
もう一つは譏察税を2倍にするということでした。
搾取はここで終わりではなくイ・ドルゲ従事官はもっと偉い人に銀を届けてました。
黒幕は一体誰なんでしょう???
チェ商団
チェ商団では、息子は商人になるのがイヤで科挙の試験を10年受け続けていました。
一方で娘のチェ・ウン(シン・ウェイン)は商いをしたがりますが父に認められず、金持ちの奥様方を相手に商団の品を勝手に売買。
後日、金持ちの奥様たちを舟遊びで接待します。
その際、荷物を運んだ労働者たちは労賃がもらえませんでした。
シユルが無法者のワルワル(ムドクの手下)に詰め寄ると労賃はもらっていないと言うワルワル。
シユルはその話がウソならあんたを殺すと言い残しチェ・ウンを追いかけ、礼儀正しく労賃の支払いを求めます。
けれど支払済だと言われ問答しているところへパン家の若君がやってきてシユルのことを殴りました。
そして3日も食べてないと言って労賃を諦めないシユルを、パン家の若君は複数で取り囲むのでした。
ここでは「米1升を求めただけなのに」というシユルの呟きに私は疲れを感じましたね。
第2話
労賃の行方
パン家一派に取り囲まれたシユルでしたが、あっという間に全員を倒し、パン家の若君に労賃を渡せと迫ります。
しかし貰っていないと言うパン家。
シユルはもしウソなら覚悟しておけと言ってチェ商団へ。
実は労賃をくすねたのはムドクたちでワルワルはバレたらどうしようと完全にビビっていました(* ´艸`)
チェ商団での出来事
カン行首に労賃を求めるシユルでしたが支払ったと言われます。
そこへウンがやってきて米1斗分の布をシユルの前に投げたのですが・・・
侮辱されたシユルは俺は物乞いじゃないと言って敬意を求め、ウンとちょっとした言い争いに。
そこへウンの父が客を連れて帰ってきたため、シユルは自分の取り分だけ布を破ると残りは他の働き手に労賃をくれたと言って渡します。
ウンの父が連れ帰ったのは女真族の元将軍のワンヘでした。
ワンヘは自分が京江を制圧するので手を組みたいとウンの父に申し入れに来たのです。
しかしワンヘがしようとしていることは密輸入だったため、ウンの父は法律を破れば終わりだと言ってワンヘの話には乗りませんでした。
労賃ネコババの顛末
労賃をネコババしたことがバレてユン家に呼び出されたムドクたち。
ごまかそうとするムドクでしたが手下たちから順に殴られてしまいます。
今はユン家のほうが立場が強いですが、昔物乞いだったユン家を救ったのはムドクでした。
その後、頭領のドクケと二人で酒を酌み交わすムドクでしたが、ドクケからはこの仕事には向いていないから故郷に帰れと引導を渡されます。
しかし、これからもっと頑張る、故郷には戻らないと言って涙を流すムドク。
ドクケのやさしさもムドクには届きませんでしたね。
そしてムドクは以前から目をつけていたシユルについて手下たちに尋ねていました。
商人としての一歩
息子はどうしても商人になるのはイヤだというので、ウンの父はしばらくのあいだウンに帳簿を任せることにします。
そしてウンは副座長としてカン行首と行動を共にし、無法者たちに払う正規ではないいろんな種類の税金のことを聞かされます。
それは搾取だと言うウンに、少しの金で雇うのだと諭すカン行首。
酒場にいる麻浦の頭領のドクケのところへあいさつへ行くのですが、ウンはドクケからどんぶりで出された酒を飲み干すと、今後は税金と言う名目で不当な支払いはしませんと宣言します。
帰り際、無法者は官僚よりも使えますよと言うドクケ。
カン行首も帰り道で、あの者の言う通り無法者は官僚より役に立つとウンに話します。
ここでのウンは本当に無法者のことを嫌っていて、酒を飲み干すあたりなんかは負けん気の強さがかなり出てました!
従事官チョン・チョンとシユル
シユルは渡し場を離れ薪を売ろうとしていました。
しかしここでも税金を要求されてしまったので、税金を取る人のいない西の門へ移動します。
そしてパン家を倒した奴だと噂にもなっていました。
ムドクはというと、シユルが寝床にしているところへ行き荷物の中から手紙を盗みます。←でもムドク、字が読めない・・・
以前見た、シユルの腹の刺し傷の跡から何か秘密があるとずっと睨んでました。
一方、麻浦には武科試験を一番で通過したチョン・チョンが捕盗庁の従事官として赴任します。
着任するなり部下から賄賂を贈られ困惑するチョン・チョン。
その上、イ・ドルゲ従事官からは「そなたは捕盗庁の左側を私は右側を支える、私の領域を犯せば頬をぶったたく」と脅されます。
次に行列を作りおでまし(見回り)に行くことになるチョン・チョン。
同じ頃、シユルに仕返ししようとユン家とパン家も大勢の手下を連れて西門へと行きます。
しかしチョン・チョンのおでまし行列に出くわしたためシユルに手が出せず。
チョン・チョンは頭を下げる人々の中にシユルを見つけ駆け寄ります。
「生きていたか」
そう言ってシユルを抱きしめるチョン・チョン。
その様子をムドクとウンも見ていました。
そして字は読めないけれど、幟に書かれたチョン・チョンの漢字が手紙のものと同じであることにムドクは気付くのでした。
第3話
9年前
1583年、女真族による侵攻(尼蕩介の乱)が起き、シユルは母を殺されてしまいます。
真っ先に逃げたのは役人たちで、村は略奪と殺戮で凄惨な現場となってしまいました。
そして女真族が去った後、血だらけで行き倒れているシユルを見つけたのはチョン・チョンの母でした。
それからシユルはチョンと一緒に育ち成長します。
事件
青年になった二人は正義感が強いがためにやんちゃでもありました。
役人を目指す身なのにケンカばかりする二人にお仕置きするチョンの母。
そしてある日、シユルを訪ねて役人がやってきます。
科挙の受験資格を調べていた役人は、祖母が再婚しているゆえ三代に渡り受験資格はないと伝えにきたのです。←再婚は不適切な行為とみなされていたため
受験資格を得るには府使(プサ)の推薦があれば再検討するとのこと。
シユルは府使の元へ行き受験資格を求めますが相手にされず、官舎で女性といちゃついていた府使は兵士にシユルを痛めつけさせるのでした。
女真族に襲われた時と全く変わらない役人に絶望したシユルは、兵士たちを殴り官舎に火を放ったらしいのですが・・・
覆面の男が現れシユルを逃がしたとのこと。
それが兄弟のように育った新任従事官のチョン・チョンだったという噂があると、ムドクは男から話を聞きます。
シユルを連れて逃げたチョンでしたが、シユルからお前は戻って科挙を受けろと言われそこで二人は別れたのでした。
現在
夜更けにチョンに会いに行ったシユルは、チョンの母が去年の冬に亡くなったことを聞くと、俺が暴れたせいだと自分を責めます。
そんなシユルに、俺たちは友じゃない、兄弟だ、母さんを弔ってくれと言うチョン。
戦争に行き功績を挙げて罪を晴らすというシユルに、危険だと言ってチョンは反対します。
しかしいい官僚になれと言って去っていくシユル。
ムドク
麻浦を去ろうとしていたシユルに、ムドクが「俺の子分になれ」と声を掛けます。
最初は無法者にはならないと拒否するシユルでしたが、役所に放火した罪人であることを持ち出され、罪人を逃がしたのに従事官になったチョンのことを役所に通報すると脅されます。
知らない人だととぼけたのですが、手紙を盗まれたことを知ると仕方なくムドクの子分になることに。
その後、シユルはムドクの仲間たちと食卓を囲んでいました。
無法者だけれど人懐っこく自己紹介をするムドクの手下たち。
腐敗
仕事を始めたチョンは、すぐに馬の数が帳簿と合わないこと、武器が少なく使い物にならないことに気付きます。
ドルゲにそのことを訴えますが相手にされません。
そして夜、新人歓迎会の宴で娯楽に興じる役人たちに嫌気がさします。
席を外したチョンに声をかけるドルゲ。
娯楽を求めるだけでは民を守れないと訴えるチョンに、ドルゲは生意気だと言い、逆賊になるのは一瞬だぞと脅すのでした。
役人の腐敗を目にしたチョンは、落胆ではなく完全に軽蔑したまなざしをしていて、ウンに似ているところがあるなと思いました。
夜更けの渡し場
チェ商団は、夜明けまでに荷を船に積み込もうとしていたのですが、急行税を払った者がいて後回しにされてしまいます。
すぐにでも荷物を積み込まないと荷物も信頼も失うが、急行税を払えば直ちに解決するとウンに判断をゆだねるカン行首。
ウンは急行税を払うのではなく、団員たちの力で荷を積むことを選択します。
しかしムドクが黙っているはずもなく、シユルを呼びウンの松明を取り上げろと命令。
躊躇するシユルでしたが、俺が口を開けばお前と友は死ぬと脅され仕方なく従うことに。
松明を放そうとしないウンの手から松明を奪い川へと放り投げるシユル。
ウンは悔し涙を流すのでした。
ここでは暴力で商団の団員たちを脅し、作業を妨害する無法者たち。
シユルはきっと本意ではなかったと思います。
ウンは「誠実な人だと思ったのに他人の血を吸う虫けらだ、一生虫けらでいて」と言う言葉をシユルに投げつけました。
この言葉が躊躇していたシユルを後押ししたように感じましたね。
最後に
私が今までみたロウンさんのドラマの中で今回がいちばん浅黒い!
泥で汚れてるのもあるし御髪も乱れてるせいもあり野性味が強いです。
そして立ち姿にちょっとゆらめきがありますよね。
実際揺れてるわけではないんだけれど、なんかゆらっとしてると感じるんですよ。
夜の炎が作り出す陰影の雰囲気のせいかな。
肌の浅黒さも手伝ってまなざしも鋭いし、目の奥の光がね、相手をビビらせる迫力十分。
3話目にして無法者になったシユルですが、元々は正しいことがしたくて官僚を目指していた青年だったんですよね。
無法者になるには抵抗がありそうですが、ムドク派のメンバーがなんとも緩い。
どうして無法者になった?って思わず聞きたくなるくらいの緩さ(* ´艸`)
このメンバーに馴染むのは難しくはないかもしれませんね。
一方、チェ商団の副座長となったウン。
商人の一歩を踏み出したウキウキと、麻浦での無法者たちの理不尽な壁。
違法な税金をなんで無法者たちに搾取されなくちゃいけないの?って思うのは無理もないし、それと戦おうとするのもウンの性格を見ている限り避けられなかったことだと思います。
カン行首もウンのすることに決して反対しないんですよね。
簡単な道は示しても。
これからいろんな場面で迫られるであろうウンの選択にも注目したいです。
そして従事官となったチョン・チョン。
コチラも前途多難です。
嫌悪する腐敗した役人だらけの中で、チョン・チョンが正義を貫くのは難しそうですね。
第4話&第5話の感想はコチラ
濁流 第4話&第5話 ネタバレ感想 - 夜更けに海外ドラマ
主な出演者
- チャン・シユル:ロウン
- チェ・ウン:シン・イェウン
- チョン・チョン:パク・ソハム
- ムドク:パク・ジファン
- ドクケ:チェ・ヨンウ
- ユン家:パク・ヒョンス
- パン家:ウ・ジヒョン
- ワンヘ:キム・ドンウォン
- イ・ドルゲ:チェ・ギファ
- カン行首:チョン・ベス