ご紹介するのは映画「不能犯」
現在huluで配信中(2021年11月現在)
製作年:2018年
監 督:白石晃士
時 間:1時間46分
宮月新先生原作、神崎裕也先生の作画によるマンガ作品。
不能犯である宇相吹正(うそぶきただし)を演じるのは松坂桃李さん。
そして「不能犯」というのは「犯罪を意図した行為でもその実現が不可能であれば罪に問われない」
そういう犯人のことをそう呼ぶらしい。
そしてその宇相吹正を追う捜査官の多田友子を沢尻エリカさんが演じています。
それではかんたんなあらすじと感想です。
あらすじ
東京で噂になっていた「電話ボックスの男」という都市伝説。
なんでも、とある電話ボックスに殺したい人物の名前や理由を書いて貼っておくと願いを聞き届けてくれるらしい。
実際に都内では変死事件が相次いでいて、捜査も行われていた。
そこで浮かび上がってきたのが、黒いスーツの男。
どの現場でも彼が目撃されていたのだ。
死因は様々で殺人の証拠となるようなものは一切なし。
それもそのはず、黒いスーツの男・宇相吹正(うそぶきただし)は、実際に手を下すのではなく、相手と対峙し、相手の目を見てマインドコントロール。
被害者たちはいずれも、幻覚を現実と思い込み死に至っていた。
いくら証拠がないとはいえ、彼を放っておくこともできず警察は任意聴取、そこで女性刑事の多田友子だけが彼にコントロールされないことがわかるのだが・・・
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感想 ~サイキックではないの?~
私はすぐに「笑ゥせぇるすまん」を思い出してしまいました。
「笑ゥせぇるすまん」と違って扱うのは命だけですが、殺意の動機が不純な時は自分自身にも災いが戻ってくるというから、やっぱり「笑ゥせぇるすまん」にコンセプトは似てませんか?
そして疑問なのは、殺意の動機が純粋なものか不純なものかを分けるもの。
人に殺意を抱き、殺しを依頼した時点でほぼほぼアウトでは?
どんな場合なら純粋な殺意と呼べるのかなぁと考えたとき、私の頭の中には「必殺仕事人」が浮かびましたよ。
なけなしの僅かな僅かなお金で恨みを晴らすために殺しを依頼。
なんか切ないじゃないですか。
でもね、この映画は違うんです。
そもそも、不能犯の宇相吹(松坂桃李)は、人の切なる願いを叶えてあげたいなんてこれっぽっちも思っていない。
むしろ人の醜い部分を観察してはバカだねぇと嘲笑っているようにしか見えない。
そうやって同じ過ちを繰り返す人間を見下してるというか、つまらないと思っているのかな。
だからコントロールすることのできない女性刑事の多田友子(沢尻エリカ)が現れたとき、期待したんだと思う。
自分を殺すことのできる女性に。
口では、自分を殺すしか止める方法はないみたいなことを言ってましたが、彼が望んでいたことは、多田を壊すことなんじゃないかと見ていて思ったんですよね。
そのためなら殺されてもいいと思ってる。
そんな風に感じました。
そしてきっと彼は退屈なんだろうなぁと。
だから多田が現れて心底うれしかったんだと思う。
いつもは先が見えていて自分の思った通りだけれど、彼女の存在が未来を不確定なものにしてくれたから。
ストーリー的には、先を読めちゃう部分もあったりするんだけれど、宇相吹が何を想っているのかを考えるのは楽しかったです。
それに松坂桃李はイケメンですしね(〃艸〃)
人ごみに紛れているだけでも頭一つ飛び出てました。
そしてイケメンと言えば、新田真剣佑も多田の後輩の新人刑事として出演していたのですが、あんまり見せ場もなくこっちはちょっと可哀そうでしたね。
主な出演者
- 宇相吹正:松坂桃李
- 多田友子:沢尻エリカ
- 百瀬麻雄:新田真剣佑
- 川端タケル:間宮祥太朗
- 河津村宏:安田顕
- 夜目美冬:矢田亜希子