製作年:2018年
監 督:イ・ジョンソク
登場人物
- ハ・チェユン(ソン・イェジン):ソウル市警危機交渉班警部補。英語が堪能。ミン・テグから交渉人に指名される。
- ミン・テグ(ヒョンビン):クアラルンプールと韓国を拠点にしたマフィアのボスで武器密輸業者。バンコクで人質を取り交渉人にチェユンを指名する。
- アン・ヒョクス警部(キム・サンホ):ソウル市警危機交渉班警部
- ハン課長(チャン・ヨンナム):ソウル市警外事課課長
- ファン・ジュイク室長(チャン・グァン):大統領府 国家安保室室長
- ク・グァンス会長(チョ・ヨンジン):ナインエレクトリクス社の会長
- チョン班長(イ・ムンシク):ソウル市警危機交渉班班長。ミン・テグに拉致され人質に。
あらすじ(ネタバレなし)
ソウル良才洞(ヤンジェドン)で人質立てこもり事件が発生し、ソウル市警危機交渉班の女性警部補ハ・チェユンが交渉にあたる。
しかし、話し合いで解決しようとする彼女の意向は無視され、特殊部隊が突入。
結局、犯人2人と人質の男女2人は死亡。
それから数日後、チェユンは自分には交渉人は向いていないと言ってチョン班長に辞表を提出するが受け取ってもらえず。
チョン班長は海外出張へ。
その後、ソウル市警の庁長からの呼び出しを受け、事情もわからずモニター越しの男を相手に交渉の席に着かされたチェユン。
男の名はミン・テグ。
外事課が以前よりマークしていたマフィアのボスで、彼がチェユンを交渉人に指名したのだ。
イ・サンモクという韓国人記者とチョン班長がタイ・バンコクで拉致され人質に取られており、チェユンは動揺する。
大統領府国家安保室のコンは、特殊部隊が人質を救出する手はずだと言い、作戦実行までの14時間のあいだ、時間を稼ぐようにとチェユンに命じるのだったが・・・
スポンサーリンク
感想(ネタバレなし)
冒頭から、目の前で人質を殺害された交渉人のチェユン。
目の前で人が死ぬことに耐えられなかったチェユンは、職を辞そうとしていたが、人質を取った凶悪犯のミン・テグから交渉人として指名を受ける。
それは彼女が優秀だからでも、偶然だからでもない。
彼にはちゃんと理由があったのだ。
それは追々明らかにされていく。
チェユンが交渉人としてミン・テグと駆け引きをしようとしたのは、最初だけだったように私は思う。
同じ空間に犯人がいるわけではない。
モニター超しでの難しい交渉。
人質の1人が上司であるチョン班長だと知りチェユンは冷静ではいられない。
しかも、同じ側に立つはずの警察や政府側からは真実を知らされず、ミン・テグからはウソつきだとみなされ、チョン班長は射殺されてしまう。
冷静でいられるはずもなく憤りを抑えられないチェユン。
しかしここから先は、ミン・テグの本当の目的が徐々に明らかになっていくんだよね。
ミン・テグは本当にただの凶悪犯なのか?
答えは否!
そしてこの映画を鑑賞した多くの人がミン・テグに同情したのではないかと思う。
でも私は違う。
たとえミン・テグがただの凶悪犯ではなく理由があっての行動だったとしても、人質をとって立てこもってもいい理由にはならない。
真実を知ってもその気持ちは変わらない。
それに彼はマフィアのボスで武器密輸業者。
そもそもの原因は自分にあるのだ。
彼もちゃんとそのことは自覚している。
根っからの悪人と言うよりも、自分のルールで生きていると感じました。
だから結末で明らかになったことにも納得。
そして交渉人であるチェユンだけれど、交渉人である前に彼女が警察官であるということが私の中では印象に残りました。
彼女が果たす正義が、この映画での救いですね。