夜更けに海外ドラマ

海外ドラマのあらすじと感想を中心に、時々映画や国内ドラマの感想も書いています。

もうすぐ死にます あらすじ感想

ご紹介するのは、韓国ドラマ「もうすぐ死にます」

話数:全8話

個人的お気に入り度:★★★★☆


コチラは同名原作のウェブトゥーンを実写化した作品。

自ら死を選んだことで「死」を怒らせ、12回の転生を繰り返すことになる主人公チェ・イジェを演じるのはソ・イングク。

そして彼に転生を命じた「死」を演じるのはパク・ソダムです。


それではかんたんなあらすじと感想です。

出典元:https://www.amazon.co.jp/ 

あらすじ

大学生だったチェ・イジェ(イ・ソングク)は、愛する恋人・ジス(コ・ユンジョン)ともラブラブで幸せいっぱい。

そしてテガングループの最終選考に残り面接に向かっていたのだが・・・

途中、交通事故を目撃しその動揺が収まらぬまま面接では失敗し就職は叶わず。

それから7年、正規採用を目指しバイトしながら勉強し再びテガングループの面接にこぎつけるのだが不採用に。

恋人のジスには自分から別れを告げ、友人からは投資詐欺に遭い、家賃が払えず家を追い出されたイジェは飛び降り自殺。

しかし彼を待っていたのは女性の姿をした「死」(パク・ソダム)だった。

死を道具扱いされた「死」は怒り、イジェに12回の転生の罰を与える。

イジェが転生するのはいずれも死を間近に控えた人物たち。

けれどもし、死を免れることができれば残りの人生を生きてよいと言われ・・・

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感想(ネタバレあり)

主人公の平凡さが良い!

ストーリーが進んでいくごとに私が感じたのは主人公の平凡さ。

言い切ることはできないけれど、人って基本的には善良だと思うんですよね。

この主人公がまさにそう。

そこそこ善良な心を持っていて野心もあり、人並みのレールを歩みたいと願う多数派。

そしていいのか悪いのか真面目で単純で浅はかで、そこそこの正義感も持ち合わせ自分は賢いと過信している面もありプライドもある。

このドラマはそこが良い!

人並みに人生を歩みたいと願うのは、主人公にとっては大それた願いではなく、努力してきた自分にはその価値、権利があると思っていたはず。

なのに就職は叶わず、引け目を感じいじけて恋人を振り、投資の件では友人に裏切られ、家賃が払えず借家も追い出されてしまう。

絶望・・・しちゃうよね。

7年も頑張ってきて何一つ報われないんだもの。

でも飛び降り自殺を選んだのは短絡的だった。

自ら死を選びその死を道具扱いしたことで女性の姿をした「死」からは怒りを買い12回の転生を命じられてしまうんだけれど、その後の思考が本当に単純で凡庸。

なのに転生した人物たちの数人は、主人公とは全く違うアウトロー。

でもそこが面白いんだよなぁ。

12回の転生

死が迫っている人物に転生するイジェが最初に抱いたのは欲。

1回目に転生したのがテガングループの御曹司の次男パク・ジンテ(チェ・シウォン)なんだもの。

相手は地位も権力もある大金持ち、宝くじに当たったようなもの。

欲が出ちゃうのも当然のことだと思う。


そして私が次に感じたのは生への執着。

3回目の転生で高校生のいじめられっ子クォン・ヒョクス(キム・ガンフン)に転生したとき。

幼い頃に父を亡くし母子家庭という奇しくも自分と同じ境遇。

ヒョクスはいじめを苦に自殺するはずだったんだけれど、転生したイジェはいじめっ子を撃退。

生きたいと思う気持ちがないと戦えないと思うんだよね。

ただ、残念ながらヒョクスの死は免れず死因が変わっただけ。

それはイジェの思い上がりも少しはあったからだと思う。


その後、転生を繰り返す中で大金を手にしたり、恋人だったジスとも関りを持つことに。

けれどそこでまた打ちのめさちゃうんだよね。

ジスがパク・テウ(キム・ジフン)の車に轢かれて死んでしまうから。

立ち上がることができたのは復讐心があったから。

ちなみにパク・テウはテガングループの長男。←悪いヤツ(# ゚Д゚)


そしてチャンスは早く巡ってくる。

8回目の転生で画家チョン・ギュチョル(キム・ジェウク )になったイジェ。

実はギュチョル、画家の裏の顔は連続殺人鬼、しかも猟奇的。

人の死に様に触発を受けて絵を描いていたんだよね。

でも彼に転生したおかげでパク・テウに近付くことができたイジェ。

けれどここではまだ終わらないイジェの選択をぜひ観てほしい。


その後、9回目の転生で刑事のアン・ジヒョン(オ・ジョンセ)に。

ここでパク・テウとの因縁にもとうとう決着がつくんだけれど、これまでの点がみごとに線に繋がるんだよね。

イジェの中では、これまでに転生した人物たちのいろんな関りも乗っかって感情が大渋滞。

そしてその大渋滞した怒りが爆発するのを思いとどまらせたのは、かつての恋人ジスに贈った万年筆でした。


その後のイジェは、刑事のジヒョンとして過ごすんだけれど、相棒の命が危機に晒されると自らが犠牲に。

イジェ的には、この自己犠牲による死に満足し、尊いことをしたくらいの気持ちでいたんだろうけれど、「死」からは「お前は誰だ?」と問われ笑われてしまうんだよね。

「死」に問われるまでそんなこと気にもしてなかったイジェ。

その様子を見ていて、あぁ本当に単純で素直な人なんだなぁと思わずにはいられず。

私なら、自分にもあると思っていた漠然としたものが「ないよ」って言われたような気分になる気がする。


そして「死」は待ったなしでイジェの転生を繰り返すんだけれど、イジェはまだここでも本当の試練をわかっていなくて、単純でいじけた青年っぷりなんだよね。

点はまた繋がって線になっているのに。

 

イジェが最後に転生された人物はイジェにとっては最も避けたい人物、母親でした。

でもその最後の転生があったからこそ、やっと他の誰かではなくイジェとして生きたい、チャンスが欲しいということに気付くんだよね。

母の記憶を共有し、初めて自殺したことの愚かさを痛感するイジェを見て、彼が純粋で母親想いの平凡な青年なんだなとここでもそう感じました。

慈悲深かった「死」

「死」は、イジェに12回の転生の罰を与えたけれど、終わってみれば罰という名のチャンスでしたよね。

「死」自身も、「死」のルールの中で勝つ人物を待ちわびていたのか、それとも気まぐれなのか!?

なんにせよ、12回もイジェの相手をしてあげたんだから気は長いですよね。

「死」という存在ながらどこか人間味があって、そして公正でした。

最後に

イジェは改心しましたが、最後の最後まで甘えがあったと私は思う。

それは母に愛され育ったからで、母のことが大好きだったからで、素直に育ったからでもあって、純粋だったからなのではないかなぁと。

甘ったれてるのを見ると腹立つんだけれど、イジェにも腹は立ったんだけれど、甘えることも決して悪いことではないし、最後の甘えは素直だからこそチャンスを求めることができたんだよね。

人によっては甘えるって難しいことだと思うけれど、時には甘えることも必要なんだよってことを教えてくれているのかなぁと感じました。

主な出演者

  • チェ・イジェ:ソ・イングク
  • 死:パク・ソダム
  • イ・ジス:コ・ユンジョン
  • パク・テウ:キム・ジフン

転生した人物たち

  • パク・ジンテ:チェ・シウォン
  • ソン・ジェソプ:ソンフン
  • クォン・ヒョクス:キム・ガンフン
  • イ・ジュフン:チャン・スンジョ
  • チョ・テサン:イ・ジェウク
  • チャン・ゴヌ:イ・ドヒョン
  • チョン・ギュチョル:キム・ジェウク
  • アン・ジヒョン:オ・ジョンセ
  • ホームレス:キム・ウォネ
  • イジェの母:キム・ミギョン