ご紹介するのは映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」
現在huluで配信中(2021年11月現在)
製作年:2020年
監 督:深川栄洋
原作は、中山七里先生の「ドクター・デスの遺産」
130人を安楽死させたアメリカの病理学者、ジャック・ケヴォーキアンをモデルにしたクライムサスペンスとのこと。
そして主演を務めるのが綾野剛さんと北川景子さん。
綾野剛さんは、腎臓の悪い入院中の11歳の娘を持つ捜査一課の刑事、その相棒が北川景子さん。
「お父さんが殺された」という少年からの通報がきっかけとなり事件が明るみになるのですが・・・
それでは、簡単なあらすじと感想です。
あらすじ(ネタバレなし)
「お父さんが殺された」という少年からの通報で、一応調べに行く警視庁捜査一家の犬養隼人(綾野剛)と高千穂明日香(北川景子)。
すると遺体からは薬物が検出され殺人事件であることが発覚。
少年の証言によると、いつもと違う医師が往診にきた直後に父親は亡くなったという。
調べを進めるうちに、ドクター・デスと名乗る安楽死を請け負う闇サイトの存在が明らかに。
苦しませることなく、依頼者たちの命を奪っていたのだ。
しかも被害者は多数いる模様。
犬養と高千穂は、被害者と思われる遺族たちに会いに行くが、みんなドクター・デスを擁護し・・・
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感想 ~犯人は「薄汚い連続殺人犯」それ以上でもそれ以下でもありませんでした~
観始めた時には、この安楽死というケースをどう扱うんだろうと思っていたのですが、犯人は神でもなければ、慈悲深くもない、承認欲求の強い自分勝手な人物だった。
しかも趣味の悪いコレクター。
犬養が言った「薄汚い連続殺人犯」と言った言葉がピッタリ。
でも犯人はその言葉許せなかったんだよね・・・
事件が発覚する前までは、依頼を受けて実行に移していた。
しかし事件が発覚するとターゲットを一人に定め、ターゲット自らに安楽死を依頼をするように仕向けるんだよね。
このあたりの執念深さが恐ろしい。
弱い者の良心をえぐるような言葉を使って安楽死を依頼するように導く様子を見て、犯人がいかに神を気取っているか、自尊心が高いかを感じました。
かなり胸クソ悪いです。
サスペンスとしては、先の展開が読めちゃうし、正直大したことはない。
安楽死についても深堀りしているかというとそうでもない。
印象に残ったのはストーリーではなく俳優さんたちの演技!
ストーリーとは関係なくまるで勝負してるみたい。
私はここまでできるけれどあなたはどうよ?的な⁉
こうきたらそうくるか、みたいな。
特に犯人と綾野剛さんがバッチバチ(# ゚Д゚)
そのあたりは引き付けられるものがありました。
そして私が理解できなかったのは、遺族がドクター・デスに感謝する気持ち。
本人が望んだことで、あらゆる苦痛から解放されるための苦渋の選択なんだとは思う。
納得して下した決断だったとしても、私が遺族だったなら絶対に感謝なんてしないし、顔さえ見たくない。
でも映画の遺族たちは、みんなドクター・デスに感謝して擁護するんだよね。
今の私にはとてもじゃないけど無理だなぁ。
私は安楽死に対しては肯定も否定もしないけれど、もしするのならばそれは仕事であるべきだと思う。
たとえ善意からだとしても個人の裁量でするべきではなく、やっぱり仕事としてするべきことだと思う。
でないと何かが壊れてしまうと思うから。
遺される遺族のためにも、避けるべきではなく、もっと議論されるべき大切な問題だと思います。
映画としてはちょっと残念でした。
主な出演者
- 犬養隼人:綾野剛
- 高千穂明日香:北川景子
- 沢田圭:岡田健史
- 室岡純一:前野朋哉
- 青木綾子:青山美郷
- 麻生礼司:石黒賢
- 犬養沙耶香:田牧そら
- 寺町亘輝:江本明
- 雛森めぐみ:木村佳乃