夜更けに海外ドラマ

海外ドラマのあらすじと感想を中心に、時々映画や国内ドラマの感想も書いています。

韓国映画「あなた、そこにいてくれますか」タイムトラベルのルールなんてクソくらえ!?

登場人物

・ハン・スヒョン:小児科医。昔の恋人だったチェ・ヨナに一目会いたいと願い、30年前の1985年にタイムトラベルする。

・チェ・ヨナ:1985年当時のハン・スヒョンの恋人。イルカの調教師をしている。

・カン・テホ:ハン・スヒョンの長年の親友。1985年当時は警察官、2015年ではデコポン農場を経営している。

・ハン・スア:ハン・スヒョンの一人娘。

あらすじ(ネタバレなし)

2015年、カンボジアで医療ボランティアをしていた小児科医のハン・スヒョンは、そこで赤ん坊を救い、目の不自由な老人から、お礼にと小瓶に入った10錠の願いが叶うという怪しいクスリをもらう。

試しにそのクスリを飲んでみるスヒョン。

すると30年前の1985年へとタイムトラベル。

当時のまだ研修医だった自分と遭遇。

現在へと戻ったスヒョンは、クスリには過去に戻る力があることを確信する。


肺がんを患っていたこともあり、最期にヨナに会うことを決意するスヒョン。

そして二度目のタイムトラベルでまたしても自分と遭遇。

ハン・スヒョンだと名乗ると、チェ・ヨナに会いにきたと告げる。

当然怪しむ1985年のスヒョン。

なぜならチェ・ヨナは、自分の最愛の恋人だから。

去って行くスヒョンを追うが、スヒョンは2015年へと戻り、姿はなかった。


その後、何度かタイムトラベルを繰り返し、当時の自分に接触するうちに、ヨナがじきに死んでしまうことを明かす2015年のスヒョン。

当然1985年のスヒョンはヨナを救いそれを回避させたい。

しかし、ヨナを救うことで未来が変わり娘のスアを失うことを恐れた2015年のスヒョンは、1985年のスヒョンにいくつか条件を出すのだったが・・・

スポンサーリンク

 

 

感想(ネタバレ要素あり、でも結末は言いません)

タイムトラベルものと言えば、本人との接触は厳禁。

けれどこのドラマは逆に本人との接触のみで、それが物語を動かしていく。

タイムトラベルにつきものの難しいお話は一切なしでシンプル。


30年が経った今でも恋人のヨナのことが忘れられれないスヒョンは、余命が僅かだと知っているためタイムトラベルという冒険に出る。

しかしそこで出会ってしまった当時の自分。

追求されたら言ってしまうよね、ヨナがもうじき死ぬってこと。

いや、むしろ救いたい気持ちもあるだろうから言いたかったんだと思う。

でもヨナを救うと2015年に存在している20歳の娘・スアの存在が失われる。

それだけは避けたい。

そこで出したのが3つの条件

・ヨナと別れること。

・テホの人生を変える可能性があるため誰にも話してはいけないということ。

・今から9年後に学会で出会う女性がスアの母親だから彼女と過ごしてほしいというもの。

正直、2015年のスヒョンにとって都合のいい条件ばっかり。

最初に書いたとおり、タイムトラベルにつきものの面倒なルールはなし。

2015年のスヒョンにとっては、過ぎ去った30年は過去。

今までの記憶が書き換えられることもない。←あくまでタイムトラベル直後の記憶だけれど

変わってしまった30年を経験するのは1985年のスヒョンなのだ。

ただし、周囲は違う。

いくら2015年のスヒョンの記憶が以前と同じでも、周囲はそうはいかない。

その結果、親友だったテホとは連絡を絶ち30年という月日が流れているということになっている。

それを知らないのは2015年のスヒョンだけ。

でも本当に辛いのは1985年のスヒョンだと思うんだよね。

当時のスヒョンとヨナは互いに本当に愛し合っていてとても微笑ましいカップル。

だから彼女の命を救い彼女の元を去るなんて、こんな酷なことはないと思う。

しかも彼女はスヒョンが自分の元を去る理由も知らされない。

凄い葛藤を味わうのは2015年ではない、1985年のスヒョンなのだ。

これからの30年、選択を迫られるたび、2015年の自分の運命を極力変えないため、慎重にならざるを得ない。

自分の人生でありながら、未来から来た自分の人生を背負うことになるのだから、それはそれは大変なことだと思う。

2015年のスヒョンの記憶には30年間支えてくれる親友のテホがいた。

でも1985年のスヒョンにはいない。

こんな割に合わないことはないと思ってしまう私。


そしてもったいないと思ったのは、これが2時間弱で制作されているということ。

5話くらいの連続ドラマにしてもう少し掘り下げたほうが、より葛藤が見えるのではないかと思うんだよね。

テンポよく進行したと言えば聞こえはいいけれど、私はもっと思い悩む1985年のスヒョンの姿が見たかった。

スヒョンに去られたヨナが感じたであろう絶望や、テホとの友情が壊れる様子も見たかった。


タイムトラベルをしたのは2015年のスヒョンだったけれど、私は1985年のスヒョンがその後に過ごした30年に興味がある。

そして2015年のスヒョンの記憶。

1985年のスヒョンが年月を重ねるとともに、2015年のスヒョンの記憶も変化していったんだろうか?

それとも二つの記憶を持つことになるのだろうか?

タイムトラベル直後は変化がなかっただけに、こうして今、書いているうちにだんだんとそのあたりも気になってしまいました。

どれだけシンプルでも、タイムトラベルはやっぱり難しいです(。-`ω-)