ご紹介するのは、映画「アオラレ」
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製作年:2021年
監 督:デリック・ボルテ
時 間:1時間30分
原題は「Unhinged」
蝶番の外れた、の他に、精神的に不安定な状態を表す言葉らしいですね。
邦題は「アオラレ」ですが、ドラマはあおり運転のその先を突っ走るもの。
加害者である男を演じるのはラッセル・クロウ。
執拗に追われる女性・レイチェルを演じるのは、カレン・ピストリアス。
本当に加害者の男だけが悪いのか???
それではかんたんなあらすじと感想です。
あらすじ
真夜中、車の中で結婚指輪を外し、1軒の家を襲撃する男。
中にいた男女を殺害すると火を放ち逃走する。
一方、シングルマザーのレイチェルは、息子のカイルと弟のフレッド、その彼女のメアリーと暮らしていた。
ある朝、寝坊した上に、離婚調停中の夫が家を要求していると弁護士から知らされ、ため息をつくレイチェル。
そして学校に遅れそうなカイルを車で送るのだが、道路は大渋滞。
しかも美容師の仕事にも遅れそうで、いちばんのお得意様からもう来なくていいと言われ解雇されてしまう。
イライラが募っているところに、信号が青になったにも関わらず前の車が動かなかったため、激しくクラクションを鳴らすレイチェル。
追い越し際にもう一度クラクションを鳴らし走り去ったのですが、その直後、赤信号で止まると、先ほどの車が隣に。
男にクラクションを鳴らした理由を聞かれたレイチェルは、青になったのに行かなかったからだと言うと、男は謝罪。
レイチェルにも謝罪を求めるが、レイチェルは拒否。
その後、カイルを無事に学校へと送り届けた帰り道、ガソリンスタンドでまたしても男を目撃。
不安になったレイチェルは店員に相談。
その場に居合わせた客の男性が一緒に出て行って、レイチェルを先に行かせ、男にナンバーを覚えたと警告。
すると男はその男性を車で轢き、レイチェルの後を追う。
必死で逃げるレイチェルだったが携帯が見当たらず・・・
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感想
正直なところ、レイチェルのような人はたくさんいて、あおった側の男はいたとしてもまれ。
そして私が理解できないのは、息子を乗せているのになぜ男を挑発するような行動を取れるのかってこと。
ひと言、「ごめんなさい」と言えば済む話ですやん。
何より息子もそれを望んでいるのに・・・
それに元はといえば、レイチェル自身のだらしなさが災いの起点となっているといってもいいよね。
もちろん、煽った側の男は悪いけれど、あの下品なクラクションの鳴らし方は確かに頂けない。
ハッキリ言ってあんな風に鳴らされたら怖い(;´Д`)
日常生活において、子供を前後に乗せた自転車のママたちがたくさんいらっしゃいますが、ハッキリ言ってマナーは悪いです。
歩道を占拠して並列走行しながら話すのは当たり前。
子供を乗せているとは思えない乱暴な運転。
スーパーでは通路を塞いでベチャクチャとおしゃべり。
レイチェルを見ていてそんなママたちのことが頭をよぎりました。
なので、レイチェルに同情する気にはまったくなれず。
ただただ、レイチェルのせいで巻き込まれてしまった人たちだけが気の毒なだけ。
不運だったのは、本当にレイチェルなのか?とさえ思えてくる。
むしろ煽った側の男の背景を考えると、レイチェルと出会ったのが運の尽き。
レイチェルに謝罪を求めたけれどレイチェルは謝らず、その時に男が言った「そう言う世の中なんだな」って言葉に尽きると思う。
「人に謝ることが出来なくなってる、誰に対してもどんなことでも」
そこがいちばん伝えたいところなのかなぁと私は思いました。
男はもう既に殺人を犯してはいたけれど、レイチェルがひと言謝ればあの恐ろしい事件は起きなかったわけで、謝る=自分の非を認めるってことでもないと思うんだけどね。
ましてや敗北でもない。
どっちかっていうと私は譲る、って感覚かなぁ。
私が「すみません」と言って済むならばすぐに謝ってしまいます。
そのほうが話は早いし、ほぼほぼそれ以上何か言われることもなく、盾突くよりもはるかにいいと思うから。
それに反論する人もよくみますが、十中八九、話が長くなってます( ̄▽ ̄;)
相手が欲しいのはたった一言の謝罪の言葉。
それで終わらせたっていいじゃないですか。
映画は、煽る男性(加害者)と煽られる女性(被害者)という形をとっていますが、善と悪では語れず、ほんの少しの思いやりというか、譲る心、そういうものが必要だという警鐘を鳴らしているようでもありました。
心に少しゆとりを持つことで避けられる人災は、想像よりもはるかに多いのかもしれませんね。
主な出演者
- 男:ラッセル・クロウ
- レイチェル:カレン・ピストリアス
- カイル:ガブリエル・ベイトマン
- アンディー:ジミ・シンプソン